闇に潜むは悪鬼なり

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「……三太郎、お前腕っぷしは強いか?」 翔は三太郎に尋ねた。 「いっ!いきなり何言ってんだよ!」 三太郎は翔の陰に隠れおどおどし周りを見渡す。 「殺気を感じる…」 翔はぼそりと呟く。 ガラガラ!! 材木置き場の木材が翔達目掛けて倒れてくる。 「三公!!」 三太郎を突き飛ばす翔。 「ひぃいいい~!!」 三太郎は半べそをかいている。 ~西村左内のテーマ~ 「いけ!!」 般若面の男が材木の影から短剣を振り回し翔に襲いかかってきた。 「ちぃっ!」 翔は紙一重で交わす着物袖がバッサリと斬られる。 「死ね~!!」 再び斬りかかろうとする般若面。 「ぐっ!!」 般若面の動きがピタリと止まる。 「あああ…」 パタリと倒れる般若面。 倒れた般若面の背後には坊主頭の男が立っていた。 「まずはひとつ!おい兄さん、この事を誰にも言っちゃいけねぇぜ。言ったら、てめぇを殺さなきゃいけねぇからな。俺は面倒臭いのは大嫌いなんでね。」 「……」 驚きのあまり声が出ない翔。 三太郎は小便を漏らし失神している。 「ぬううう!せめてガキだけでも!」 一人の般若面は逃げ出した。
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