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ガラリと戸が開く。
「よぉ、兄さん」
戸を開いたのは源太であった、源太は逃げた般若面を生け捕りにしていた。
「あんた…」
翔は驚く。
「ところで兄さんよこいつの顔に覚えはあるかい?」
気絶している般若面の面を外す源太。
「!?」
般若面の正体は墓地で太郎を追いかけていた男、夜兵次であった。
「ぶっ殺してやる!!」
翔は怒りがこみ上げ台所から包丁を持ち出し気絶している夜兵次を刺し殺そうとする。
源太は止めに入る。
「おい!やめねぇか!お前さんの気持ちはわかるがよ、今こいつを殺すのは待て!!お前さん達の話は全部聞いちまった!こいつらに黒幕がいるって事をよ!だからさ殺るのはこいつを餌に使ってからでいいじゃねぇか!なっ!それと請負人を俺と組まねぇか?金にもなる、どうだい兄さんよ?」
「請負人…」
翔は包丁を落とす。
「そうそう請負人、晴らせぬ恨みを晴らす裏稼業てやつよ…こいつらは黒鬼と呼ばれる女子供も殺すキチガイな盗賊だ。さっさとバラしちまいたいんだが。お前さんの話を聞いた以上黒幕も仕置に掛けないとこの親子はうかばれねぇ。」
源太はそう言うと既に息絶えている、おたえ親子を見る。
「可哀想によ…まだこんな小さい子供まで…なんまんだ…なんまんだ。」
源太は屍に向かって手を合わせ念仏を唱える。
「金ならある。」
翔は源太におたえから貰った血が付いた巾着袋と自分の財布を源太に渡す。
受け取る源太。
「ところで兄さん、人を殺せるかい?」
「………」
源太の問いに無言の翔。
「まぁ初めはみんなそうだ…時期になれるさぁ」
ニヤリと笑い翔の肩をポンと叩く源太。
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