闇に潜むは悪鬼なり

45/60
前へ
/64ページ
次へ
「北町筆頭与力矢島大各と…同心笹川官次郎…笹川が俺等が追っていたガキの居場所を探し出した…俺達は押し込みをしても捕まらねぇ仕組みに…奪った金の八割を矢島に渡す事で…」 夜兵次は気を失う。 「これでカラクリは解けたな…筆頭与力が絡んでるとなると何をやっても捕まりはしねぇ。」 源太は煙管の煙を吐く。 「あの時…笹川なんかに任せず…俺が話聞いてりゃ…こんな事には…」 豆辺衛は下を向く。 「てめぇ!!」 翔は豆辺衛に食ってかかる 「てめぇ等がそんなんだから!てめぇ等がっ!!何故ひっそり幸せに暮らしてる親子が死ななきゃならねぇ!!てめぇ等みたいなのがいるから!!」 翔は豆辺衛を殴る。 口から血を流す豆辺衛。よろめきながら立ち上がる。 「すまねぇ…俺を殴って気が済むなら幾らでも殴ってくれ。」 「おやめなさい…殴ったとこで死んだ方は帰ってきません。次のおたえさん親子を出さないためにも、ひとでなしを仕置にかけなればなりません!!違いますか?」 お七一喝する。 その場はシーン静まり返った。 「ますます文七のとっつあんに似てきたな」 ニヤリと笑う源太。
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加