プロローグ

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数ヵ月後   捜索願いを出してから 何ヵ月経ったんだろ…   そんなことを考えながら フラフラとしていました     数か月の間に いろんなことがありました…   まず 食費が底を突き 本などを売りお金にして生きていました   ですが 家賃までは払い切れず 家を追い出されてしまったのです…   後に近所のおばさんたちの話で 家族が夜逃げしたことを知りました…   家族は夜逃げ 家はなくなり 学校にも行けない   公園のベンチに座り込み 色々考えました   「今死んだら… 誰か悲しんでくれるかなぁ…」   そんなことを口に出した瞬間 誰かに頬をぶたれ 熱く…痛くなりました   顔を上げると 親友の顔が…   今にも泣きだしてしまうんじゃないかって顔をした 親友の奈々の顔があったのです   奈々は 「君が死んだら君を友達だと思ってる人 皆が悲しむに決まってるじゃないか! 勿論…私だって悲しいよ…」 そう私を叱ってくれたのです   私はぶたれた頬の痛みと 彼女の優しさに 涙が止まらなくなりました     奈々は続けて言いました   「行く宛てないんでしょ? だったら家に来なよ 親には私から話しつけるからさ♪」   そう言って 私を受け入れてくれたのです     奈々のご両親も とても親切にしてくれました   しかし 私が居候を初めてから 奈々とおばさまは喧嘩が絶えなくなってしまったのです…   「ごめんね… 私が居るから…」   「違う! 君のせいじゃないよ…」   奈々は無理に笑顔を作り 私を安心させようと努めてくれました…   私はそれが辛く 悲しくなり   「今までありがとう そしてごめんなさい… 奈々の優しさ とても嬉しかったよ また…いつか会いましょう…」   と書き置きを残し 奈々の家を出ることにしました  
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