プロローグ

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 夕方の公園 行く宛てもなくぶらつき ベンチに座ると   子供を迎えにくる親の姿や 友達と楽しそうに笑う 同年代くらいの人たちが 眼にうつる…     それを何気なく見て 「何ヵ月か前は 私もあれが当たり前だったんだよね…」 そう呟いていました     じきに夜の帳が落ち 闇が辺りを包み 雨が…     私は雨に濡れ   このまま風邪でも引いて 死んでしまおうか   そう考えていました     雨は冷たく 激しく私を打ち   寒さに凍える私を 更に冷たくしていく   「さようなら…皆」   そう呟いたとき   「しっかりなさい! 大丈夫ですか!」   と声が聞こえてきました   私は声の主を確認できないまま 目蓋を閉じました…       …きて…さ… 起きて…さい     声が聞こえる… 誰の声だろ…?   私は目蓋を開け 声の主を探しました   部屋は一面の白…   色があるのが私だけなのでは… そう思えてしまうまで 白に包まれていました   暫らく辺りを見回していると先程の声が…   「お早うございます 温かいスープを作ったので 飲んでください 暖まりますよ」   声のする方に目をやると そこには優しそうな笑顔をした神父さまが   私は神父さまに問いました   「ここは…何処ですか? 私は…」   神父さまは答えてくださいました 「ここは私が努めている教会の孤児院です 貴女は雨の中 ベンチで倒れていたのですよ?」 私は神父さまに抱き抱えられ この孤児院に運ばれたそうです   私が俯(うつむ)き黙っていると 神父さまが質問をしてきました   「貴女…ご両親はいらっしゃられないのですか? 雨の中家にも帰らず 何故あんな場所に?」   私は事の次第を 素直に答えました   すると…   「では…此処にお住みなさい この出会いも神の思し召し 遠慮は要りませんよ」   神父さまは笑顔で そうおっしゃいました     それから 私のシスター見習いとしての 幕があがったのです     おや? そろそろ日も暮れてきましたね…   続きはまた次回に致しましょう   また お越しくださることを 心からお待ちしております
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