母子道

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母の手を掴んだ。 シワシワでカサカサの手。 子供の頃に掴んだキレイな手じゃなくなっていた。 それほど苦労をかけてきたんだ。 それなのに昔と同じで温かい手だった。 涙が溢れた。今まで母に伝えたかった思いが溢れてきた。 「母さん、今までごめんな・・・ありがとう。」 驚く妻と息子。 母は「いいっちゃが、いいっちゃが。」と、涙を瞳に溜め、笑ってくれた。 夕日の中、手をひき歩いた道程は、もう遠い記憶の中にしか無いけれど、あの日と同じ気持ちで母の手を掴んで歩いてる。 夕日で染まる今の道を。
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