1、普通

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どうもはじめまして。 この場合、「初めまして」と漢字をあてるべきなんだろうが、「始めまして」の意味合いも含めたいのであえて平仮名ではじめましてと言っておく。 あらためて自己紹介を。 僕はこの小説の語り手であり、同時に著者でもある者です。 さて、この小説のページをめくってくれたあなた方に、最初にいくつかの注意事項を言わなくてはいけない。 まず一つ。 この小説はファンタジーに分類されてはいるが、実は内容はいたってつまらない『普通』の世界観で書かれている。というかそういうふうに書いた。 だから多少ガッカリする人もいるかもしれない。 次に一つ。 この小説の主人公にはなんにも特殊な所が無い。 今、この小説を読んでいるあなたの周りに当たり前のようにいるような人物だ。 なんだったら今、辺りを見回してパッと目に入った人物を主人公と交代させてもらっても構わない。 それくらいあなた達にとって『普通』な主人公です。 と、まぁ以上が読んでくださっている方々に最初に挙げる注意事項です。 準備はよろしいですか? ……それでは、そろそろ物語の開幕としましょう。
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