脳内性感帯

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「出すよっ…‥」 ホテルに入って1時間もしないうちに、アタシは体液にまみれた。今日のオヤジは結構ガンガンに攻めてくる。素面(しらふ)じゃ乗り切れなかっただろうけど、お酒を飲ませて貰ったせいか何となく声も余計に漏らしてしまう。 テーブル上の灰皿に敷かれた数枚の札を脳裏に浮かべながら、アタシは指で絶頂へ誘われた。 「何だか可愛くて照れちゃうな、本当に17歳?」 ─散々ヤっといて照れるもクソもあるかよ 「また会いたいなぁ、ダメかな?」 「良いですよ。これ、名刺です♪」 着替えてホテルを出る。エレベーターの中でキスを迫ってきた。次回の為に、少しばかり濃厚なキスをして見せた。 こいつはオヤジだからこんなコトしたって散々ヤった後だし、もう前かがみになる事も無いなぁなんて考えたら、おかしくて別れ際につい吹き出しそうになった。 今日はこの後もう2人相手した。3人で10万ちょっと─少ない方だ。CHANELのポーチもANNA SUIの化粧品も買って、服も買って…そしたらあっと言う間に無くなってしまう。 もっと沢山お金が欲しい。お金があれば。一流品を持っていればどんな友達にも溶け込めた。 クラスメートで仲の良いグループの何人かは万引き止まりらしいから、試しに1人に売りの話を持ちかけたらビビってしまった。 恋愛はマジメにしたいって。万引きしてるヤツの台詞?って笑いそうになるのを堪える。 仲間内で売りをやってるのはあたしだけ。そんなあたしをみんな凄いって言う。快感。 友達が彼氏に貢がせたっていうヴィトンのバッグももうボロボロだし、別の子が付けてるペアリングだって数千円の安物。 一週間で十万以上稼ぐあたしに勝てる子なんていない。その優越感が気持ちよくて、アタシはどんどん顧客を増やしていった。
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