序章

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「四名この場に残り、応戦してくれ。魔石は全て置いていく。」 タワラツの目に、またもや大粒の涙が浮かぶ。 「必ず、追っ手を殲滅してくれ……命に変えてもだ!」 流れる涙を拭おうともせずに、強く命ずる。 ただ声だけは、勇ましく、震わすまいとして。 「姫様は相変わらず泣き虫じゃ。しかし、強くなられた」 一団の中で、最も年老いた男が言った。 「コト、アブン、オズオ、ついてこい!奴らを迎え撃つ!」 魔石を受け取ると、彼等は今来た闇へ引き返して行った。 死地へ向かう仲間を、十分見送る事は出来なかった。 しかし、その後ろ姿をタワラツは一生忘れる事は無いだろう。
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