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こんな長旅をしたのは、いったいどれだけ振りだろうか?
ユケイは過去を振り返り、そしてたった一年前に同じ道を歩いていたことを思い出した。
あの時はユケイが開発した新しい耕作技術が魔法国の王に評価され、その技術を高値で買い取ってもらった時だった。
あの時も、春の暖かい日差しと、時折吹きすさぶ冷たい風に身を預け、この「英雄の街道」を首都ノスオードへと向かっていた。
顔ぶれもあの時と変わっていない。
護衛の兵士達と、目付役のフォルツと、六日間の馬上の旅だ。
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