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ユケイの生まれ育った「ケイの町」から首都ノスオードは距離はあるが、街道は整備され、難所となる様な峠もない。
妖魔や魔獣も、街道には滅多に姿を現すことはなく、冬の間に気を燻らせていた商い達が一斉に活動を始めるため、街道を行きかう人の数も多い。
おまけに天候にまで恵まれ、ユケイの望みとは全く逆に予定より一日早い到着となる。
そしてユケイは、正午を迎える前にノスオードの街門をくぐることになる。
十七歳を迎えた春の事である。
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