序章

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不意に、風を裂く音と共に、無数の矢が降り注いだ。 タワラツは、怒りの涙を瞳に貯めながらも、「風壁」の魔法の詠唱に入る。 両手を手綱から離し、空中に印を書いた。 「風の王よ、我らを守りたまえ!」 タワラツを中心に、激しい風が巻き起こる。 飛来する矢が、目に見えない何かに弾かれるように目的から大きく反れて行く。 飛来する物から身を守る「風壁」の魔法だ。 難しい魔法ではないが、馬を駆りながら、そして仲間の一団全てに効果範囲を広げるには相当の修練を必要する。
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