発作

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 発作、が出たのは、中学3年生の終わり。 美容院でブローしてもらっていた時に、『ソレ』は突然やって来た。 「どうしました?暑いですか?」  店員さんが鏡越しに尋ねる。  私の顔は…全身は、汗だらけ。カーッと火照って、汗が止まらない。 「大丈夫です★」  そう答えるものの、今度は目眩と、軽い吐き気が襲ってきた。  ブローはすぐに終わったので、私はすぐにその場を離れてトイレへ駆け込んだ。  だけど、吐くわけでもない。  もう、目眩がなくなっていた。  会計を済ませて、私は家に帰った。  今日の出来事を、家族の誰かに話すつもりはなかった。 「体質」  で片付けられる事が分かっていたから。  一週間後には、高校の入学式だ。  緊張しているんだろうと、私は思うことにした。
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