これから始まる物語

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『わたしは おかあさんを あいしております。おかあさんも わたしを たいせつに おもっています。おかあさんが あいしつづけてくれている かぎり わたしは だれのものにも なるきは ありません』 『おひきとりください』 いつのまにか おおきくなっていた おひめさまを かんじて りゅうは なみだ しました。そして りゅうは おもいました。 『わたしは しあわせ だ。いつか おひめさまを わたしより あいし おひめさまが わたしより あいす ひとが あらわれたら わたしは そのひとと おひめさまの ために とおくに たびだとう』と。 おひめさまの ことばに おとこたちは しぶしぶ おしろを あとに しました。そのなかの ひとりを のぞいて。 『では われが そなたに ふさわしい ものであると しょうめい しよう』 おとこは リュングベルグ の おうじ と なのったのです。おひめさまは りゅうのほうを みて にっこりと ほほえみました。それから おうじは はなを おくり てがみを かき ときどき おしろを おとずれては すこしだけ はなしをして まんぞくしたように かえっていきました。
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