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「ぁ!そこの角を右に曲がって」
「おぅ」
言われたとおり右に曲がるとむっちゃでけぇ家があった。家というより屋敷だな。
「こ、ここが僕んち…です」
「うは~…でけぇ~…」
必要以上にでかいその屋敷の前にボロチャリを止める。実に場違いだ。星野は俺の後ろから飛び降り手招きしている。門をくぐり中にはいるときっちり手入れされたこれまたでかい庭に玄関まで続く赤レンガの道。
ガチャ…
「ただいまー」
「おかえりー」
広すぎてどこから声が聞こえたのか分からない。多分星野の母ちゃんの声。
「ぉ、おじゃましまーす!!」
どこにいるか分からない星野ママに聞こえるよぅに声をだした。
すると俺の声に反応するように、奥からパタパタと綺麗な女の人が出てきた。髪の色は星野と一緒で胸くらいまである。綺麗な琥珀色の眼や薄い唇の形なんかもそっくりだ。でもその女の人は俺を見てびっくりしてる。
「母さん…なんて顔してるのさ」
星野はクスクス笑いながら星野ママを見る。
「ぁはは…ごめんなさいね、このこが家に人を呼ぶなんて小学生の頃以来だったから」
「ほぇ~…そうなんですか。あっ俺長谷山空って言います。」
星野ママはフワフワ微笑んで優をよろしくねと言った。
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