超能力者G

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 9月28日午前7時35分久保弓子はベッドから起きたばかりである、昨日は遅くまで鈴木にGを本当は知っていてかばっているのではと、言われたが弓子は本当に知らない。  『たぶん今日交信して来るわ』そう呟くと弓子はソファーの上で瞑想状態になる。  (何か私に聞きたい事があるのかな?)Gからのテレパシーである。  (もうニュースで知っていると思いますが…アナタの見解を教えて欲しいの)  (起こったことが全てだろう…それだけの念力を持った者が居ると言う事だろうね)  (今のままでは事件の解決は警察では不可能です…どうすればいいの?)  (普通の人間では難しいだろう…私が今出て行くわけにはいかないが…門司にキリと言うエスパーが居る彼に相談するといい…普段は占いをやっている)  そう言ってGの交信は途絶えた。  その旨を鈴木に伝えると一緒に会いに行くことになる。  午前11時鈴木は富野台にある弓子の自宅に迎えに来てくれた。  「一応アポは取っています行きましょう」そう言って鈴木はアクセルを踏む。  10分程車を走らせると目的地に着くキリは駅前の雑居ビルの二階で占い館を営んでいた。  部屋の前まで行くと本日休業の札が掛かっていた。  コンコンと部屋のドアをノックすると中から「どうぞ」と返事があり二人はドアを開け中に入る。  鈴木は会釈すると「早速ですが菅生の滝の死体件で見解をお聞きしたいのですが」と切り出した。  弓子も「私たちはGと呼んでいる…能力者から貴方を訪ねて力になってもらう様に言われたのですが」  「そうですか…まあ掛けてください」キリはそう言って二人を椅子に座らせると話し出した。  「弓子さんて言われましたね」  「はい」  「貴女が能力者なのはオーラで分かります…さて菅生の滝の殺人は人間ではないですね」  「では何なんですか?」鈴木が身を乗り出して聞く。  「いや済まない、もはや人間では無いと言い換えよう…貴女が言うGは、私も存在が認識出来る…多分道祖一族の末裔でしょう、彼等は独自に能力を知りその修業を積んできている何百年もの間その遺伝子も独自に進化して来た」  「その子孫がGだと」
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