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テーマパークの建設はその部分だけ暫くは中止になり調査が始まる。
メンバーは考古学研究家白石卓、地質学者矢吹堅一、中村美浦、それにガード役として品川一心、木村光輝が選ばれた。
9月11日午前10時一行は鍾乳洞に入って行く、入り口は伏せて行くほど狭かったが徐々に広がりを見せ30m程進むと高さ3m幅5m程の空間が出来ている。
ずっと下り坂みたいに成っており、地底に向かう様な感じである。
二時間ほど進んだ地点で白石が
「ここらで休息しよう」
と呼びかけ一行は足を止める。
50m進んでいた、入る時に用意したロープに10m間隔で印を付けている、思ったより鍾乳洞は長かった。
「ウ~ン…かなり長いねこの感じなら…平尾台では最長の鍾乳洞の発見になるかもだね」白石は誰となく話しかける。
「そうですね…地形からするとそんなに長い距離は考えにくいのですが、所々人的に掘った様な感じもある…詳しく調べないと結論は出せないが、人間が住んでたか今も住んでいる可能性も…」矢吹はそう言ってライトの灯りを洞窟の奥に向ける。
「まさか…こんな洞窟に人間が住むかなぁ」ガードの品川がそう呟く。
「いや…理論的には生物が生息しててもおかしく無いだろ…それが人間であっても」白石はそう言って持ってきた水筒のお茶を飲む。
途中置いてきたランタン式懐中電灯が暗い洞窟に確かな薄明かりを残している。
ガス濃度計と酸素濃度計で洞窟内の環境を調べていく、この場合怖いのは酸素の欠乏やガスによる身体への影響である、12時半一行は又奥へ歩き出す。
周りを注意深く確認しユックリと進んで行く更に70m程進んで行った地点で洞窟は三方に別れている、何れも人間が一人通れる程度の広さだった。
「う~んこれから先は安全を考えて出直すことにしよう…酸素の濃度からすると、何処かにまだ出入口が在りそこに通じてる可能性が大でしょう」白石はそう言って引き返すことを促す。
ここ迄の距離約120m鍾乳石の状態洞窟の長さ何れを取っても今回のリゾート計画の目玉に成ることは間違いない。
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