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翌日、鍾乳洞開発会議が開かれ洞窟の調査と同時進行で、入り口や照明の工事を行う事が決定される。
白石等は新に探検家の加賀武雄を加え三班に分け調査する事にした。
三つの分岐を左より①、②、③番洞窟とし洞窟①を白石、品川、②を中村美浦と探検家の加賀武雄、③を矢吹と木村が各々受け持ち調査する。
互いに危険な状態になった時の為に高感度のトランシーバーを携帯する。
中継点として分岐点にバックアップ人員を三名待機させ万全の体制で挑む。
9月23日午前10時調査隊は洞窟の分岐点に集結。
この間突貫工事にて電灯と電源を通し、鍾乳洞の入り口も大きく切り開き楽に出入り出来るように為った。
今居る場所に30分程度で来れる迄になった。
「よし出発しよう」白石の呼びかけで洞窟内に空気が送り込まれ調査隊は一斉に各々の洞窟に入って行く。
白石、品川組は、30m程進んだ地点で大きな空間を発見その空間は幅10m四方程度あり明らかに人為的いや、生物がその形に掘ったものと思われる跡がある。
壁の至る所に小さな横穴があり、如何も生物のコロニー跡にしか見えなかった。
白石はその旨を報告しカメラに様子を撮影する、その内の一ヶ所が更に奥に続いているのを発見。
白石等は、更にその洞窟に入って行く、午後13時頃である。
「明らかに生物が生息していた様だね…然し足跡や糞、骨等の生活の跡が先程のコロニーには無かった、意図的に残してないのだったら、かなり知性の高い生物、多分人間に近い生物が住んで居たものと推測できるなぁ」白石は品川に話す。
「この闇の中で自由に動く事は人間では無理なのでは?」
「ウ~ンそうだね僅かな光があれば人間でも暗闇に慣れ、ある程度見えるが全く光が閉ざされているわけだからねぇ…コウモリやモグラでもない限り普通は有り得ない」
「と言うことはその手の生物ですか?」
「解らない、その手の生物ならば何か痕跡を残してるだろう、この穴の作りからすると私は類人猿に近い気がする」暫く進んで行くと少し登りに成り僅かだが灯りが差している気がした。
「先生、あの光は出口なのでは?」
「うむ…どうもそうみたいだね…危険かもしれない慎重に進もう」品川は頷く。
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