5人が本棚に入れています
本棚に追加
9月24日午前9時、調査隊一行は中継点で矢吹等に呼び掛けるが応答が全く無い状態だった。
何等かの事故の起こった可能性も有り、レスキュー隊を派遣する事にする。
総勢10人のレスキュー隊は連携し洞窟内に入って行く念のため銃器を保身の為に携帯する。
9月26日午前11時レスキュー隊は出口に辿り着く。
水の音と光が射し込む滝の裏側見たいな感じだ。
一行はその出口の外、滝壁を破り表に出て行く滝の底はそんなに深くは無かった滝壺を抜けたレスキュー隊が見た光景は悲惨だった。
其処には矢吹と木村の変わり果てた姿が浮かんでいた。
この二人の死因は解剖の結果普通では理解不能な物であった。
捜査本部が小倉南署に置かれ特種な事件として本庁との合同会議となる。
死因は内臓の破裂に因るショック死と見られ不思議なことに外傷は全く無く内部よりの圧力で内臓各部が破裂したものと見られる。
新型ウイルスの可能性も検査結果の上、無いとの事、会議は概ね殺害方法に終始したが何れも完全な理論とはいかなかった。
その中で刑事の一人である鈴木はエスバー説を持ち出す。
確かにこの事件は常人の仕業と思えなかった。
本部長の指示で鈴木は超能力研研究所を訪ね所長である久保弓子に見解を訊ねる事に為る。
「話は分かりました…確かに常人を超える念動力の持ち主なら可能かも知れませんね」
「そんな能力を持つ人間が居るのかね」
「はい…その可能性の有るエスバーを一人だけ知っています…ただ他にも居る可能性も当然有ります」そう言って弓子は、有る実験をしてくれた。
テーブルの上に置いた灰皿を手を使わず瞬時に10cm程、移動させたのである。
「す、凄い」超能力を目の辺りに見て鈴木は仰天した。
「ここまで為るには、かなり能力訓練をしないと出来ませんが、この程度はここの研究施設では当たり前に皆やっています」
「ただ刑事さんが言われた事が出来る程の能力は生まれながら備わっていないと難しいでしよう」
「例えばどの様な」
「進化の過程でDNAが変異し備わるか…元々有った能力を引き継いでいるかですね…人間もその能力は有るはずですが使う必要の無い環境で退化したものと考えています」
「う~ん解らない…してその一人とは、誰なのですか」
最初のコメントを投稿しよう!