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そう僕が言うと,彼女は満面の笑みで僕に微笑むと,こちらを眺めていた女子達のかたまりの元へかけていった。
僕はまだ信じられなくて,
何度も心の中で
(夢?!)
と呟いていた。
「おい!!!」
この声で我にかえった。
声をかけて来たのは,僕の中学からの親友の咲也(さくや)だった。
「な,なんだよ!」
「ゆずちゃんと何話してた????」
咲也もゆずが転入して来た時から狙っていたらしく,その顔は真剣だ。
「ぃや……ゆずが…一緒に帰らない?って言って来ただけ…」
僕が言い終わる前に咲也が声をあげた。
「ハッ??!!なぜに呼び捨て!!!??なぜに一緒に帰ろうなの??!!」
必死になって僕を問いつめる。
「僕にもさっぱりなんだけど…………なんか………期待しても良い感じ??笑」
僕がのろけると,咲也が冷たい視線を僕に向けた。
「じょ…冗談ス…」
僕は苦笑いしながら帰る準備をした。
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