泣いて笑った堅気道

生い立ち

万引きとは言ってもガムを一個盗ってみんなに配り学校の帰り道に噛んで帰ると云った具合だったと思う。当時は駄菓子屋が帰り道に必ず2、3件有り婆さんがやってる緩い店が必ずあったものだ。万引きする理由は単純で目立ちたいから！ただそれだけの事だった。後年やくざに成り兄貴にこの話をしたら兄貴は笑ってやっぱ関東のガキは緩いのうと笑われた。なんでも名古屋や関西など西ではもっと大胆なガキがぎょーさんいて棚ごとパクる輩もいて少年窃盗団もいたそうだ。話は反れたが俺は束の間のスリルは4回目であっさり見つかり駄菓子屋の婆さん夫婦に捕まった。学校に連絡が入り母親が店に血相変えてやって来ていきなり泣きながら殴りかかって来た。やはり母親の涙はガキの心にも突き刺さった。そして俺も泣いた。この事件には後日談が有りこの辺の連中の家は大体俺の親父の生徒や卒業生が多かったので全て不問に付す事となった。この時ばかりは悪い事してるのは自分なのになんか勝ち誇った感じで家に帰った覚えがある。