卒業

17/60
前へ
/142ページ
次へ
俺は家に帰る道すがら考えた。黒川先輩が親分の所に行ったらなんか俺の憧れの聖地が無くなる感じがして何か切なくなった覚えがある。 数日後黒川先輩から電話があり家に来いと呼び出された。 黒川先輩は俺に会うなり俺藤田さんの所で世話になると言って来た。 俺はただ黙って聞いているしかなかったが俺は素朴な疑問を訊いてみた。黒川先輩みたいに名前が通ってれば他からも声掛からなかったですか? 黒川先輩は確かに大宮の平石一家からも誘われた事を喋ってくれた。 因みにに平石一家は関東広域暴力団の二次団体で現在も老舗名門組織で名前が通っている! 俺大宮から出たいんだよな! 俺は更に聞いた。親は知ってんですか? それなんだよ!まだ言えないんだよな! 当たり前だ!どんな悪ガキで親がさじを投げた子供でも我が子がヤクザに成るのに賛成する親なんかいやしない! まあどう親を口説いたか知らないが黒川先輩は数ヶ月後に山下睦会の門をくぐる事になるのだか俺は嫉妬と黒川先輩が更に大人に成っていく感じがして何か切なく感じていたのを思い出す。
/142ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3019人が本棚に入れています
本棚に追加