第一章

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「穂高くん、穂高くん。 由布さんと本当の兄妹じゃないって本当なの?」 高校に入学して、早二ヶ月。 男女問わず何度聞かれたかわからない質問。 その都度、微妙にはぐらかしているから仕方ないけど。 「どう思う?」 ここに母が居たら、質問に質問で返すのはやめなさいって怒られそうだ。 にしても 自分に関係無い事なのに、何故そんなに気になるんだろう。 お陰で利用させてもらっているし 助かってはいるけれど。 「うぅぅん。 顔は似てないんだよねぇ。でも、双子じゃないのに同じ学年でしょ。珍しいよね。 ・・・・・私的には、兄妹の方が嬉しいかなぁ。」 語尾に甘さを滲ませ、上目遣いで見つめてくる。 自分に自信があるんだろう。 でも、 由布で目の肥えた穂高には、その辺にある雑草と一緒だった。 何の感情も湧いてこない。 興味も無い。 。
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