雨音と二つの影

2/3
前へ
/10ページ
次へ
降りしきる小雨は、"塵"で汚れた路面を洗い流してゆく。   人気の無い街灯の下、 一人銀髪の男が佇む。   そこへ、金髪の美女が現れた。   『Vergil、悪魔を狩るのはもう良いわ。早く行きましょう』   しかし男は無言のまま身動き一つしない。   『どうしたの?』   女の問いに答えず、抜刀の体勢をとる。   『DIE』   目に追えぬ速さで放たれた刀の先は、 白き羽根をまき散らせて砕ける悪魔であった。   『ムンドゥスの配下か…』   Vergilは刀を納めると、女に言う。   『貴様は"奴"の店に向かい、目的を果たせ。俺は急用がある』   女はそれを聞き、頷いて去って行った。   『決着は俺がつける…』  
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加