15人が本棚に入れています
本棚に追加
降りしきる小雨は、"塵"で汚れた路面を洗い流してゆく。
人気の無い街灯の下、
一人銀髪の男が佇む。
そこへ、金髪の美女が現れた。
『Vergil、悪魔を狩るのはもう良いわ。早く行きましょう』
しかし男は無言のまま身動き一つしない。
『どうしたの?』
女の問いに答えず、抜刀の体勢をとる。
『DIE』
目に追えぬ速さで放たれた刀の先は、
白き羽根をまき散らせて砕ける悪魔であった。
『ムンドゥスの配下か…』
Vergilは刀を納めると、女に言う。
『貴様は"奴"の店に向かい、目的を果たせ。俺は急用がある』
女はそれを聞き、頷いて去って行った。
『決着は俺がつける…』
最初のコメントを投稿しよう!