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ーー扇華。
「さて、準備はいいかお前ら?」
洵はゆっくりと周りを見渡す。
異名者の周りには応援団的な存在が所狭しと並んでいる。
異名者の各々が頷いて洵に返事をする。
その姿は意気揚々といった感じだ。
「これで俺たち三年の喧嘩は最後と言ってもいい。そんだけの大勝負だ。何せ相手は燕帝と洋舞だ」
その言葉を聞いて異名者達は改めて気合いを入れ直す。
「洋舞だろうが燕帝だろうが……全部叩き潰して扇華が頂上だ!」
洵の鼓舞により、大きな声がその場に響いた。
「頼もしくなったわね」
「惚れ直したか?」
「冗談。惚れてすらいないわよ」
洵は苦笑いをした後、顔を引き締め直した。
「行くぞ!」
扇華の異名者達が、燕帝へと向かいだした。
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