最終急行銀河の殺意

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2008.03.14 まるで円周率のような記念日だが、今日は寝台急行「銀河」の最終便が出発する日だ。 銀河は東京と大阪を結ぶ寝台急行だ。 終戦数年後に誕生し、新幹線開通後も運転を続けた。 この列車の特徴は、最終の東京発の新大阪行き「のぞみ」号より、ずっと後に東京を出発して、始発の新幹線より1時間以上早く、大阪に着けるという事だ。 その特徴はこの「銀河」に廃止の話を寄せ付けない理由だったし、それを信じている人たちもいた。 だが、現状は厳しかった。 寝台料金は新幹線のグリーン並の料金がするのだ。 状況は悪化し、近年は30%という乗車率もめずらしくなくなった。 車内には空いた寝台が目立っていて、とても淋しい状態だった。 遂に、JRは「銀河」の廃止を公表した。 そんな訳で今日は多くのレールファンが、東京と大阪の駅に集まり、別れを惜しんだ。 カメラを構えるのは、もちろん 「ありがとう」 と叫びながら手を振っている者もいる。 駅員も必死なのだろう。
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