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大学へ続く道を歩いていると、ふと目につくシルエット。
大学の前には、均一に間隔のあるさくらの木が植えてある。
帰る時には、木の陰に隠れて気づかなかった見覚えのある姿が。
木の前にあるベンチに座る、穂の姿があった。
昼間の印象とは違い、憂いを帯びた顔をしている。どこかをずっと見つめていたり、携帯を気にしたりしている。
何してんだろ。
全は気になりながらも、大学に戻った。
「あった」
中庭の花壇の淵に、点滅する携帯を見つけた。
写メった後ポケットに入れたつもりだったんだけどな。
メルマガや友達からのメールを開きながら、歩く。
一通り返事を返すと、大学を出た。
ふと、穂の事を思い出して、さっきのベンチを探すとーー
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