プロローグ

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クス、と笑い詢怜はルナから遠ざかるように歩いて行った。 そして1人ごちる。 「禊は、お前のような奴には触らせない。 あいつは、俺が守る」 銀鏡禊(しろみ みそぎ)、それが銀鏡詢怜の妹の名。 詢怜のそれは決意だ。 これだけは、絶対に守る。 妹に手を出すやつがいるならば、例え世界を敵に回してでも守ってみせる。 それが、詢怜のたった1人になってしまった家族への家族愛。 プロクシーに属しているのはただの保身であり、ここが一番安全だと踏んだからである。 別に、どこでも良かった。 妹に手が伸びないのなら、何処でも――……。
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