突入

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フェイクからの連絡はメールだったので、水月は急いで携帯のメールボックスをチェックする。 この場所の地名とフェイクが指定してきた場所の地名を照合してみると、確かにここで合っていた。 「お母さん、良く考えてみなよ。 こんな所に手配されている人が沢山いたらおかしいと思うよ。 多分、どっかの建物の中にでも入ってるんじゃない?」 横から口を挟んできたのは、腰近くまで長い黒髪を首の辺りで紐で止めている、神村雪花だった。 とそこで、水月は自分の服が何かに引っ張られているのを感じた。 何だろう、と首を後ろに向けるが、誰もいない。 「……こっち……」 少し下から声がする。 可憐な声。 水月が見ると、そこにいたのは10才前後の少女だった。 軽くうねった金髪。 ここは日本から見れば外国だから、違和感はない。 綺麗で儚い少女は、水月の服を引っ張りながら、……こっち……ともう片方の手で大きなガレージを指差していた。 水月は、言われるがままにそっちへ足を進める。 「雪花ちゃん、今の子が近付いて来てたの、解った?」 水月は全く気配を悟る事が出来なかった。 足音も気配も全く出さずに近付いて来れるだろうか。
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