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あるのはその取り決めだけ。
「あんな子が」
「そう、あんな子が」
ガレージに入ると、既に何人かの人がいた。
自分達と同じくらいの年齢の人間や、少し上の人など、様々だった。
一斉に皆がこちらを振り向く。
いったい誰が来たんだ、と言わんばかりに。
すると、1人の男性が近付いてきた。
「あなたが秋篠水月さんですか。
フェイクからの写真で伺っています。
そして何より、お強い剣士さんだとか」
握手を求めるように、水月に手を伸ばしてきた男の名は、ロイド=アールマーク。
くしゃくしゃの髪をした、何やら得体の知れない眼鏡の男。
「あ……ああ、どうも」
「斜め上前方!」
水月が手を伸ばそうとした瞬間、隣にいる雪花が叫んだ。
水月は、素早く刀を抜き、雪花が顔を向けている方向を、目線だけ向けて確認する。
そして、水月はその方向を向いた瞬間、無意識的に刀を振っていた。
刀に何かが当たり、地面にポトリと落ちる。
そして、銃声がした。
水月は刀を向けたまま素早く下に落ちたそれを確認すると、また目を戻した。
音が後から来た事と、落ちた弾丸の形とを検証すると、飛んできたのは恐らくライフル弾。
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