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身構えていると――。
「お見事。
不意撃ちの狙撃だったのに関わらず、良く迎撃出来たね」
軽く手を叩き合わせながら、ロイドが水月に讃辞を送ってきた。
状況がいまいち呑み込めない水月は、恐る恐るロイドに聞く。
「あの、これはいったい……」
「ああ、単なるテストだよ。
あれくらい対処出来ないようじゃ、この先戦力としてはいらないと思ってね。
でも、君はどうやら私の思った通りの人間らしい」
そういえば、もし私が対処出来ずに被弾していたらいったいどうするつもりだったのだろうか。
怖くて聞けない。
「歓迎するよ。
目的を同じくする同志として。
レオン君、もう降りてきてくれて構わないよ」
ロイドが声をかけた先は、狙撃手がいるであろう場所だ。
言葉から察するに、男性で味方なのだろう。
「了解した。
そちらに戻る」
物静かで、感情のない声だった。
そうまるで、機械のような。
「秋篠さん。
こちら、狙撃手のレオン=シュレッケン君。
無愛想だけど、良い人だよ」
降りて来た人間は、声だけでなく、表情すらもなかった。
左側だけ前髪が長くて、左目がうかがえない。
「レオンだ。
狙撃手をやっている。
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