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そして、後ろ髪を三編みにしているのが、李飛龍。
で、あの女の子がさっきも言ったようにアリス=ルーレで。
あのセンター分けの髪の人が――」
カティア=エリンシアと水月は答えた。
答えを先に言われた雪花は黙り込む。
そして、水月の声と自分の名前を呼ばれたからか、カティアがこちらを向いた。
「あら、水月じゃない。
久しぶりね」
カティアは水月に歩み寄ってきた。
「はい。
お久しぶりです」
カティアと水月は過去に面識があったようだ。
いったいそれがいつの事だったのかは解らないが。
「おっ、何か可愛い娘がいるじゃん」
フロストの声がガレージ内に響く。
フロストは水月との10mの距離を瞬間移動さながらの動きで詰めた。
「とりあえず、番号とアドレス、聞いとくか」
水月の背後から肩に手を回し、携帯を開く。
(何か私、こんなのばっかり……)
京都で見たチンピラの事を思い出す。
「貴方はいったい何をやっているの、かしら」
言葉を区切った所でフロストの鼻っ面にカティアの拳が炸裂した。
本日2度目。
吹き飛ぶフロスト。
コンクリートの地面を擦って飛んで行く。
また1人、馬鹿が消えた。
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