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 そうやって言ってたら もうこちらから 電話しなかった彼からふいに電話があった。  彼の本業の保険の話だが、  またテンション上がるわね。運命の糸切れてないんだ。  彼と一番近づいたのは イタリアンのご飯やさんで 順番待ちしてた時。 丸い小さい椅子がすごく狭いところに 2つ並んでた。 私が彼の後ろに座り彼が前屈みに座ったから 背中に持たれた。 彼の清潔な白いシャツを通して 体温が伝わる。波動が伝わる。 私の悲しみとか 伝わる?  すぐに席が用意され 私達は立ち上がった。まだくっついていたかった。
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