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それからしばし優しい時間が流れた。
平くんとお喋りしながら、私はただ桜に見とれた。
ヒデさんも、黙って柵の向こうを見つめていた。
少しして、ヒデさんが桜じゃなく私を見ていることに気がついた。
目が合う。何だかヒデさんは罰が悪そうな顔をした。
「?、どうかしたの?」
「いや、その―――」
それは私の誕生日の日のこと。
そして同時に、私たちの結婚記念日にもなった日のことだ。
あの時言ってたじゃない
ずっと側にいる、って
嘘つき
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