暗躍するモノ

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暗躍するモノ

―14:15 東京駅 おれは地下鉄に乗り移動しながら一連の事件を推理しようとした。 地下鉄が到着し おれは乗った。 さすがに朝の通勤ラッシュよりは少ないが意外に人は多かったが… 空いている席を見つけて座った。 「整理してみるか…」 おれの推理が正しければ… …恐らく…今回の事件では二組の犯人が動いている事は違いない。 それは…ほとんど確信している。 犯人の内…一組は緒方篤彦さんと永嶋竜也さんの2人を殺害した。 篤彦さんは事故に見せかける為に車のタイヤに銃弾を撃ち込んで… 車をスリップさせて崖下へ落とし彼を事故に見せかけて殺害した。 …そして…永嶋さんの場合は胸に銃弾を撃ち込み おれの指紋を… 犯行現場に おれの指紋がついた拳銃を落として逃走して行った。 おれを眠らせたのも犯人の罠か… もう一組の犯人は安倍聡明と壬生延雄…そして…緒方隆賢を殺害… 犯人のターゲットだった筈の天音文明は聡明を身代わりに逃走… 天音文明に容疑が集中している。 「緒方さんと壬生さんの関係…」 真悟のケータイのバイブが震えて…誰からかメールが届いてきた。 メールを送ってきた相手は――… 「真田さんから…?」 真田さんからメールが届いた。 おれは何だか見る勇気がない… あの時…おれは逃げてしまった。 …たぶん…疑いを持たれている。 薄目を開けてメールを見ると… 「これは…――」 その文面は想像以上の文だった。 『僕たちは誰も君を疑ってなんかいない…だから戻っておいで… 今から こっちで起きた事件と…緒方の正体や過去を送るから… 君も永嶋さんが殺害された現場の状況なんかを教えて欲しいな。 マスターの店で待ってる――…』 そんな文がメールで送られてきて…真田さんたちが おれを――… おれなんかの事を信じてくれて…待ってくれている事を知って… おれは必死に涙を堪えていた。 「……ん? まだ下に何か…」 メールを下にスクロールすると… 『辻森刑事と猪原刑事が…必死に君の無実を主張していたんだ。 君は独りじゃないんだよ…――』 おれは涙を堪えきれなくなった。 「辻森刑事…慶太さん…ッ!」 あの時…現場に駆け付けた刑事は辻森刑事と慶太さんだったのか… ケータイの画面に涙が落ちた。
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