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おれが喫茶『TIVE』に入ると…
全員が おれに近づいて来た。
「――真悟くん?!」
「その傷は…」
店に入った瞬間に倒れてしまって真田さんと山崎警視に支えられ…
何とか…そこに立っていられた。
「犯人に…撃たれました…」
そのまま椅子に座らせてもらって雅臣さんに両肩を診てもらった。
幸人くんや敏樹や彩乃…探偵部のメンバーが集まり心配していた。
おれの事を…気にかけてくれた。
「左肩の骨は銃弾が貫通しているみたいだが どうやら右肩は…
かすっただけみたいだね…――」
「――いっ! 痛いですよ~💦」
幸人くんは今にも泣きそうだ。
「真悟くん…死んじゃヤだよ…」
「大丈夫だよ。死なないから…」
そう言うと…雅臣さんは おれの右肩を掴んで骨を僅かに外した。
その瞬間に激痛が右腕を走った。
「――いってぇぇぇ!?」
「し、真悟くんっ?!💦」
「我慢して…すぐ済むからね」
雅臣さんは おれの右肩に触れ…
外した骨を上と下から支えた。
「いくよ――…ふんっ!」
「――うぎゃあぁぁぁ!!」
右肩に激痛が走ったけど…何だか右肩が軽くなった様な気がする。
試しに右腕を回すと…回転した。
「右肩は弾がかすっただけみたいだったから ずれを直したよ。
思ったより痛かったみたいだけど…はまったなら良かった…――
これで右腕は使えるはずだね…」
「よかった…よかったよぉ…」
幸人くんが泣き出したから…
おれは治ったばかりの右手で彼の頭を優しく撫でる事が出来た。
雅臣さんに感謝しないとな――…
「――真悟くん?!💦
その腕…いったいどうしたの?」
「怪我してるじゃないか…!」
奥の部屋から梨花さんが現れて…裏口からマスターが入って来た。
彼はコーヒー豆が詰まった袋を…コーヒーメーカーの隣に置いて…
おれの方へ急ぎ足で寄って来た。
「――まさか…犯人が真悟くんを狙ってくるなんて…恐ろしい。
犯人は かなり本気みたいだね」
「真田さん…お互いの情報を…」
真田さんは頷いて おれたちは…自分が持っている情報を渡した。
それにより…段々と事件の核心が見えてきたような気がしていた。
犯人の正体も分かったかも――…
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