葛西家 ①

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吊橋を抜けて… 伊能先生のテンションは落ちた。 普通は安心して上がると思うけど伊能先生のテンションは低い… それはロープウェイの存在――… まさかの事実に混乱したようだ。 「勘違いしないで頂きたい… あのロープウェイは緊急時以外の利用は禁止されています――… しかも 朝と昼の2回だけ… それだけしか 動かせません…」 「緊急時…?」 「一昨日のように大雨が降って…吊橋が落ちた場合などです。 ちなみに何故1日2回かと言うと…実は あのロープウェイ… 太陽エネルギーで動くのです。 だから太陽が出ていないと… 動かす事が出来ませんが――…」 「――ちょっと待て… だったら何故 一昨日の大雨の中…ロープウェイを動かせた? その仕掛け…興味あるな…――」 すると英作さんは呆れた様子で… 溜め息を吐いて伊能先生を見た。 「最後まで話は聞いて下さい。 だから普段は使わないんです。 太陽エネルギーを蓄積して… 緊急時にロープウェイを動かせるようにする為に貯めておく… でないと向こうに渡れません…」 英作さんは橋の向こうを見た。 ここから…ロープウェイの最後が見える。小さな小屋のような所… そこがロープウェイの終着点か。 距離にして1、2kmくらい… 大して長くはないから…葛西家の屋敷は この先にあるみたいだ。 そんなに遠くはないんだな…―― 「行きましょう…」 英作さんに促されて おれたちは足を進めた。古い吊橋と… 古いロープウェイ…それは… ただただ黙って そこにあった。 「つまり あの吊橋がなかったらロープウェイを使わないと… 橋の向こうには行けないのか…」 「真悟ー? 行くぞ~…」 「あっ…はい!」 どうも吊橋とロープウェイが気になったけど先を急ぐ事にした。 はぐれたら元も子もないからな。 「見えてきました…葛西家です」 「近くで見ると… やっぱデカさが良く分かるな💧」 本当に大きな屋敷それを見ている奈未の目が…\になっていた。 そして「玉の輿」と呟いていた。 「藤吉さん!連れて参りました」 渡り廊下を歩いていた男性を英作さんは呼び止めて男性は来た。 その人は50代後半くらいだった。 .
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