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「…………何をしに来た?もう私に用はないのだろう?」
「泰明殿?」
「恩を着せられて、またあんな事をされるのは…ごめんだ。助けてくれと頼んだ覚えもない。それから…二度と私の前に現れないでくれ」
泰明の双眸は矢のように、友雅を射抜き、その場から動けないように、縫い止めてしまう。
「分かったよ、泰明殿に従おう。ただし…神子殿が私達を供に選んだ場合は分かっているね」
「公私の混同はしない」
「その答えが聞けてよかったよ。泰明殿、自分など如何ようにも変えられる。たとえ姫君の身体となってもね」
泰明は友雅を平手打ちすると、振り返る事もなく、その場を立ち去った。
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