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時々、それくらい短く切ってしまおうかと思うが、何となく踏ん切りがつかず、結局長いまま。
切るにしても、そんなに短くは出来ないだろう。
切っても、友雅くらいの長さが関の山だ。
……友雅…。
今は一番逢いたくない人物…。
女好きな彼の事だから、きっと女になった自分を優しく扱うに違いない。
そんな惨めな自分は見たくない。
「これは美しい桜の姫君だね。もしくは月光の姫君かな?」
泰明は振り返る事もなく歩き続ける。
「つれないね。それとも…私を焦らしているのかな?」
桜の花びらを纏うようにして、泰明の後を楽しそうに追い、ふわりと後ろから抱きすくめる。
「離せ…!」
泰明の焦る声をよそに、友雅の手は泰明の胸の膨らみに手を触れて、優しく愛撫する。
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