陰の月夜

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「友雅…!やめ…んっ!胸を…触る…な!」 「ふふっ、身体は嫌がってないようだよ」 「嫌だ!離せ!離せ、友雅!」 友雅の片手が、秘密の花芯に触れようとした時、泰明は呪符を使い、友雅を吹き飛ばそうとしたが、術が発動する事はなかった。 「な…ぜ?」 思い当たるのは、女性化した事で、陰陽の力の均衡が崩れたかもしれないという事だった。 だが、悠長な事を考えている時間はない。 ふわりと友雅の髪から、香の匂いがした。 ただ、何故か友雅の好む侍従の香とは違うように感じる。 違うような気はするのだが、侍従の香の匂いに間違いはない。 けれど、何かが微かに違う。 それが妙に引っ掛かり、泰明を苛立たせた。 衣擦れの音が泰明の心を壊すように耳に響く。
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