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「そこで待ってろ」
ようやく口を開くも、とても冷たい声だった。
勇樹はまともに返事をできる余裕なく、体育館の出口に向かって歩く男性の背中を見送るだけだった。
男性が体育館を後にすると、勇樹はおもむろに体を起こし、無言で腰掛ける教員達に目を向けた。
目が合うと、教員はまずいと言わんばかりに勇樹から視線をそらした。
勇樹は不審に感じたまま、小走りで教員のもとへ向かった。
そしてある教員の目の前に立った。それでも教員は勇樹に顔を合わせない。
「先生……これは、一体……」
こんな不可解な状況だ、たどたどしく勇樹は尋ねた。
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