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勇樹は再び、微かにドアを開けた。
友達…………
それがあれば、まだこの辛い出来事を緩和させられる。
だが勇樹にはそれがない。1人でこの鬼ごっこに立ち向かうしかないのだ。
勇樹は淋しくドアを閉めた。
体育館を見れば見るほど自身を辛くさせるだけだった。
これから先、1人で闘っていかなければいけないのか。
勇樹の背中は、周りに誰もいない寂しさを物語っていた。
涙を流し続け、両膝を床に落とした。立つ気力もない。
いっそ今死んだ方が楽だ。どうせ生きたってろくな事はないんだ。
勇樹はしばらくその場で1人、泣きじゃくっていた。
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