取り柄

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午前6時。鬼ごっこ開始まで1時間だ。 皆、動きやすい体操着やジャージに着替えていた。制服を着用しているのは勇樹だけだ。 勇樹は鬼ごっこ開始まで1時間を切ったにも関わらず、鬼ごっこをする実感が湧いて来なかった。 そもそも鬼ごっこをする気などないのだが。 勇樹が制服を着用したまま2階への階段を上っていた。すると、前に小田切とその取り巻きが目に映った。 勇樹は一瞬目を全開させた。小田切達の横を通り過ぎると、わざと小田切が勇樹の肩に肩を当ててきた。 「ようくそ崎君。体操着に着替えないで何してんのかな~?」
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