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激しい騒音の中、微かな足音が聞こえる。
その足音は、響きを増して次第にこちらに近づいてくる。
勇樹は、息すら殺して静止する。
そして階下の角から、ふいに迷彩服を着用した若い男性が5~6人現れた。
男性らは、しっかりと両手で銃を握りしめていた。
なんだ……? なにが起こっている……
勇樹は恐怖で声も出せず、その場で膝を震わせるばかりだった。
男性の1人が勇樹に目を向けると、睨むような目で勇樹に向かってスガスガと歩き出した。
勇樹は自分のおかれた状況を理解できず、ただ男性と目を合わせる事しかできなかった。……否、銃を持った相手に抵抗まがいな事はできなかった。
そして軍服の男が、明らかに怯えている勇樹の前に立ち塞がった。
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