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次の瞬間、男性は勇樹の腕を掴み取り、強引に体を引っ張り上げた。
一瞬、肩の骨が折れたと錯覚する程の強い力で、無理矢理どこかへと連れていかれようとする。
勇樹は、なにもできない。
何だよ、コレ……僕は……どうなるんだ?
男性は、取り巻きの男性らと別れ、勇樹を連れたまま1階の体育館へと足を運んだ。
体育館は静寂に包まれていた。これが、嵐の前の静寂というやつなのか。
奥の一角には、パイプ椅子に腰掛ける教員の姿があった。
他に人や物はおらず、体育館には無駄なほどのスペースがあった。
男性は、無言で勇樹を体育館のど真ん中に乱暴に放り出した。
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