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「わー…これがホストクラブというものですか…。」
深織ちゃんは兄貴への弁当を大事そうに抱えて兄貴の勤めるクラブの前に立っていた。
本来ならば深織ちゃんには一生縁のない場所だが…って俺がその縁作ってるのか。
とにかく深織ちゃんは危なっかしくフラフラとそのあたりを散策していた。
しばらくすると兄貴の下のものだろう、そいつらが深織ちゃんに近付いてきた。
「ここは学生が来るとこじゃねーよ。それとも、もう大人なのかなっ?」
ニヤニヤしながら深織ちゃんに少しずつ歩みよる。
「お、かなり可愛いじゃん!」
深織ちゃんは子兎のように小さくなってキョロキョロとあたりを見回していた。
そして意を決したように口を開き、
「牧野流星さんは……」
と兄の名前を呟いた。
「なーんだ、流さんの女かよー。」
と口々に残念そうに言うとその集団はバラけていった。
そこに呼ばれてきた兄貴がやってきた。
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