黒い猫の物語

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 巨大な剣を背負った狩人。  浮かない顔をした行商人。  黄色い声を上げながら土産を物色する観光客。  見渡す限り、人、人、人。  人のごった返す大通りに、黒い影ひとつ。  不思議とそこだけ、人は避けて通る。  その中心にいる黒い影。それはーーーーー  ♪  ♪  ♪  皆、私を避けて通る。  それは、私が忌み嫌われているから。  ずっと前からわかってる。理解してる。知っている。  だから、もういい。  堂々と歩くだけ。  誰も私に触れなくていい。  あの人以外は。  ♪  ♪  ♪  
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