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「チーーーフーー!聞いて下さい!」
「………」
余りにも違うテンションの高さに呆れて携帯を耳から離して掛ける言葉がみつからなかった。
「俺……友達と香織さんの店行ったんですよ……!」
「行ったんかい……」
あれほどハマるなと念を押したのに2日連続で行っている神崎にもう一回呆れた。
「そしたら今度の日曜日、映画見に行こうって誘われました!」
「あっそう……」
「あっそう……ってチーフ日曜日は香織さん休みですよ!?俺のこと好きなんですかね?」
「………」
俺はさらにもう一回呆れた。
「チーフ?聞いてます?」
「あぁ……聞いてる……良かったな、楽しんで来いよ」
「はい!!じゃあまた明日店で……」
「はいよ~」
聞いているのがバカらしくなり、適当に返事をして脳天気なお祭り男との電話を切った。
好きな訳ないやろ?
「あいつ……やばいな」
キャバ嬢にハマりかけている神崎が心配だったが、その反面呆れきった俺は『面倒くせっ!』と思い、疲れた体を労るようにゆっくりと眠りについた。
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