双つの華

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 ハローハロー神様?  久しぶり、夜諭間 恢です。  俺の声は、いや、俺の思いは届いていますか?  多分届いてないでしょうから、要件だけはもう一度言っておこうと思います。  いつの日か叶うことを祈って、忘れないように、ね。  いつか、そのにこやかな顔面を殴らせて下さい。        〇  凄い美人が、そこにいた。 「今日からここに通うようになった雨羽美 妖(うばみ よう)さんです。皆さん、仲良くしてあげて下さいね」 「……宜しく、お願いいたします」  担任のゆったりとした前説が終わると、超人的な美しさを持った女の子はまるで言葉を零すようにそう言って頭を下げた。  白く澄んだ肌をより一層際立てさせる黒の長髪。  大人しそうで、知的な印象を必ず相手に持たせるであろう顔。
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