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そう思って、恢の方を向いて、私は見てしまった。
恢と、妖さんが、お互いに笑いあっている――。
な、な、なぁぁぁあっ!?
愕然とする私に、更に信じられない会話が耳になだれ込んできた。
「よーし、今日は調子いいみたいだから夜諭間に集中して当ててやろう。伸びる時に伸ばさにゃなぁ?」
「そんなっ先生っ! 発言はみんな平等が学問の基本でしょうっ?」
「ああ? そんなのは上っ面だけで本当はみんな当たりたくねーんだよ。そんな中で生け贄がわざわざ出てくるんだぞ? みんな喜んで承諾するさ、なぁみんな?」
超ぶっちゃけた先生の掛け声に、恢の抗意は、
『はーい。承諾しまーす』
「えぇぇっ!?」
当然のように潰された。
いつもの私なら、いや、いつもの状況なら、私もこれに賛同出来るよ?
でもね、今はダメなんだよ先生っ!
今だけは、ダメなの~っ!
「じゃ、次も夜諭間に読んで貰おう。ほら、さっさ立て」
「く、これってイジメにならないのか先生っ!?」
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